手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
家に居ると息が詰まる。

俺はベッドから起き上がり、床を見た。

…スエットー。



「って、ねぇし」



ある筈のスエットや服が見当たらない。

俺はまたお袋が勝手に洗濯しに行ったんだと思い、タンスからTシャツとジャージの下を出して適当に着替えた。

財布と携帯。

バイクのキーだけを持って1階に降りると、もぬけの殻。

まぁ、良いけど。

洗面所で洗面を済ませて、ダチの家に出掛けた。

昼飯はコンビニで買えば済むし。

曇り出した空の下を走り抜けると、俺のチーム(暴走族)後輩である和成ーカズナリーが絡まれてる姿が見えた。
< 20 / 92 >

この作品をシェア

pagetop