手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
コンビニの前でとは、カツアゲされてるとすぐにわかった。

面倒だけど、雑魚が意気がる姿は見苦しい。

俺はブレーキを掛け、和成の真後ろに停まった。

メットを外しながら降りると、和成は「総長!」と、安堵の笑みを見せた。



「はぁ…」



…ここで“総長”とか呼ぶんじゃねぇよ。

それに、雑魚に脅されてビビってんなし。



「人の後輩に、何してた?」



和成にメットを渡して、俺は男2人の前に立った。

顔をちゃんと見れば、相手が歳上だとわかった。

15歳の中坊が、ビビるのも無理ないか?
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