手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
「――逃がすかよ」



「……」



隙を突かれた。

太ももに刺さるサバイバルナイフは、いつの間に出されたのかもわからない。

痛みは慣れてるから、何も感じねぇけど。

…殺っとくか。

またバイクから降り、刺して来た男に、メットをサッカーボールに見立てて、顔面に向かって蹴飛ばした。



「う゛っ!!;;」



至近距離だし、かなり痛いだろう。



「お前はどうされてぇ?」



「……っ!;;」



…あーあ。

怯えてるし。

相手になりっこねぇな。



「和成、乗れ!」



見せもんじゃねぇのに見られて、居心地も最悪だ。
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