手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
ナイフを抜き、投げて返した。

止血もせず、バイクに股がると、次は携帯が鳴った。

…次はなんだよ。

一向にこの場を去れない事にイライラしながら、携帯を開く。

防水加工がされていて、水に強い携帯。

雨を気にせず入られる。

届いたメールを開けば親父。

≪海を捜せ。捜さなかったら、てめぇの族、潰してやるからな≫



「……」



脅された事より、メグに腹が立った。

彼女にしてやった事…親父たちに話したのか?

俺が…今もっとも嫌うヤツらに。



「……悪い。和成、降りろ」



「え?」



「予定が入った」



メグは、俺の家庭環境。

昔の俺だって、全てを知ってる。
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