手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
「お前もちゃんと、捜してたんだな」



坂道を下ろうとした刹那、メグをおぶった親父が現れた。

目を背けると、ドカッと蹴られる。



「――んだよ」



蹴られる意味がわからない。

わざと傷口をエグるような蹴りをしやがって。



「お前みたいなヤツは必ず後悔する。大切な者は居なくなってから」



「……」



自分とお袋に、俺とメグを重ねる親父が許せなかった。

16年間、親子だった。

今は叔父と甥だとわかって、そこまで言われる筋合いもない。

でも……“親父”と思う俺は矛盾していて。

親父が俺の肩に乗せて来たメグを背負いながら、ため息を吐いた。
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