手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
無言で歩き、家に帰れば、タオルを大量に持ったお袋と遥さんが出迎えてくれた。



「シャワー浴びて来る」



親父は脱衣場に消えて行くと、お袋が俺の額を小突いて来た。

「萌を寝かしたら、リビングに来なさい」とだけ行って、背を向けるお袋に対し、遥さんは「これ着替えね」と、メグが好きなブランドの紙袋を渡して来た。



「俺が着替えさせるわけ?」



「それが?何なら、襲っても構わないわよ」



…何を言うんだ。

俺は呆れながらも2階に上がり、部屋に入った。

ベッドを濡らすのは嫌で、床にメグを降ろした。
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