手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
「……見とれるほど、私の体は、海都が抱く女性に敵わない?」



「……」



そんな俺に、メグの潤んだ瞳が向けられた。

泣きそうな目で、俺を睨んでる。



「いつから起きてた」



「服を脱がされてる途ちゅ…」



ポタリと溢れた涙は、慌てたメグの指で、すぐに払われる。

パンツだけのメグは、恥ずかしさよりも、俺への怒りがデカイだろう。

そして、怒りよりも嫉妬が。

俺が一番わかる。

メグが俺を、一番に想ってくれてると。

見掛けで告白して来るヤツらより、何倍も何十倍も。

けど――…。

俺は、現実を受け止められない。

だから、メグを…。
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