手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
【M】別れを決めた恋心
どうして海都が、私を抱く気になったのか。
それはきっと、もう訊けない。
情事が終わり、海都と肩を並べてシングルの狭いベッドに寝てると、昔を思い出した。
大きかったベッドは、今では小さい。
同じ位の小さい手だった海都の手は、大きくなってた。
この16年間と長いようで短い人生の中で、悲しいけど、幸せを知れた。
海都と、私の初めてを経験した事。
忘れない。
きっと、忘れない。
貴方に、一つだけ嘘を吐いた事だって。
馬鹿だと笑って良いよ。
“最低”、“最悪”だと思ってくれて構わない。