手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
「…っ…」



声を抑え、タオルケットで顔を隠し、1人泣く私の頭に乗る海都の手。

前と変わらず優しい事に、どうして今になって気付くのだろう。



「嫌わない。けど…俺は、メグを愛せない」



「…んっ…」



わかってる。

わかってた。

私はタオルケットで体を隠して、着替えを持って部屋を出た。

勝手に空さんと海さんの寝室で着替え、高梨家を飛び出した。

自宅に入り、自室に入ると、クッションを抱き締めながら、泣くしか出来なかった。

ーーバタンッ



「…ごめんね、萌…。萌ちゃん、ごめんね…っ…」



追い掛けて来てくれたらしい海さんが、私を抱き締めてくれた。
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