手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
海さんが悪いんじゃない。

私が、ダメだった。

ただ、片想いだっただけ。



「……うぁ゛ーんっ゛…!!」



部屋に反響(こだま)する私の泣き声は、きっと海都の部屋まで届いてる。

抑える事が出来ない叫びは、海さんまで苦しめるだろう。

どこまでも、最低な人間になりそうな私を抱き締めてくれる海さんは、どこまで優しい人なの?

私はどこまで醜いの?



「萌…っ…」



「…大好き…なのにぃー……」



私は海都を…。

誰よりも。

愛してるよ……。

でも、さようなら。

私の、恋。




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