手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
回し蹴りなんて、今まで避けれたものが、避けれなかった。

腰が抜け、ストンッと地面に尻餅を突いた俺に、親父が「付き合わなくて、正解だったな」と言う。



「こんな弱い男に、純真無垢を絵に描いたような萌は似合わねぇ」



図星だった。

俺に、メグは似合わない。

あいつには、良いヤツが現れる。

悔しくても、俺はその幸せを見守る事しか出来ない。

するしかない。



「お前…海からも逃げる気だろ」



口を閉ざし続ける俺の前に屈んだ親父は、またしても、心を読んで来た。

そろも的確に読んだ。
< 38 / 92 >

この作品をシェア

pagetop