手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
「そんなの、俺がさせるかよ」



親父は俺の目を見た後、顔ごと逸らして、寂しそうなトーンで、「フッ…」と、笑った。



「結局、海都を悩ませたのは、俺の存在。…お前の為なら、叔父さんになる。家も出る。だから、お前が海を守るんだ」



「…どうして、そんな事が言えるんだよ」



「そんなん決まってるだろ。
――お前が俺と海の可愛い息子だからだろ」



「俺は、最低なヤツの血を引いてんだよ――ッ!!」



「だから何なんだよ!!戸籍上は“叔父と甥”でも、俺らは“父と子”として笑ってただろ!!
紙切れの関係と、目に見えない関係の、どっちを信じるんだよ、お前は…」



親父の一言に、情けなくも、泣きそうになった。
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