手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
私は海さんに、「上に行くね」と伝えて、階段を駆け上がった。

また、3人で笑って出迎えて欲しい。

ーーガチャッ

寝てるとわかってた為、私はノックもせずに入った。

部屋に脱ぎ散らかされた服を広いながら歩けば、女性用の香水の残り香。

何も言えないのは、海都が、一夜限りで毎回、違う女の人を抱いてるとわかってて、告白したんだから。



「どうして…私たち…。幼稚園の時…約束したじゃん…」



ずっと、海都の隣は私。

結婚しようって。

なのに、離れたね。

幼稚園の頃は、手を繋いだり。

ちゅーしたり。

一緒に寝たりしたのに。
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