手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
ショーも終わり、私たちは駅前のマックに移動した。
仁志が買ってくれたテリヤキバーガーを頬張りながら、「イルカ、可愛かったね」と言うと、「普通」と言われた。
「でも、さっき“蘇我入鹿”って言ったよな?」
「全然、言ってない」
どうやら、ツンボらしい。
…耳垢、溜まってるだけかな?
「耳掻きしてあげようか?」
「昨日したけど」
「耳、悪い?」
「良いと思うけど。てか、海都と同じ質問をするな」
…仁志…;;
貴方はきっと、“馬鹿”です;;
歴史人物は知ってるっぽいし、馬鹿と天才は紙一重である事を、証明してくれてるんだろう。