手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
ママを呼び出し、私は空さんの車の助手席に乗り込んだ。

ママは遥さんの昔話で盛り上がってる。



「陸ーリクーさんと優ーユウーさんは元気?」



「あぁ。陸はまた、あの地味な嫁さんと喧嘩して、優は相変わらず、娘の反抗期に悩んでるみたいだな」



「ははっ;;」



2人とも大変な暮らしをしてるもんだ。

私の家だけは平和な気がする。



「重役って大変?」



「普通」



「へぇ…」



何の所縁もない会社で専務をしてるなんて、大変だと思ったのに、やっぱり空さんは凄い。

私が居なくても、海都と仲直りしたりして…。
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