手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
何で、メグが持ってるのかは謎にも思えたが、教科書の下にある封筒を見て確信。

何も書かれてないけど、誰かに渡されたとわかる。

あいつが、こんな隠し撮りみたいな真似はしない。



「…海都…」



俺がジーッと写真を見てると、メグが現れた。

ハッとして顔を上げれば、写真を奪い、ゴミ箱に捨てられる。



「誰からだ」



「わからない。下駄箱に入ってたし。セミ、ありがとう。もう大丈夫だから」



メグは俺と目を合わさずに、教科書を鞄にしまい、部屋を出ようとする。



「ンッ――…」



そんなメグにイラッとして、俺は自分でも訳がわからない中、キスをした。
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