手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
「ママが居ないからって、そんなむくれるなよ」



「むくれてないよ!」



や、確かにテンションは低めだけど。

決して、頬を膨らませてなんてない。

いつも通りだよ。



「空さんが良かったとか言うなよ?」



「別に言わないけど…」



パパは私のテンションが低いのを気にしてるのだろうか。

かと言って、無理に上げるのもおかしい気がする。

私はカーナビを弄り、HDDに入れてある、自分のお気に入り曲に変えた。



「……あれ;;」



気分を上げるどころか、まさかの失恋ソングから流れ始めた。
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