手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
胸の苦しさを抑えて、サンドイッチを全て食べた私に、パパは「気を付けて帰れよ」と言う。



「パパは?」



「パパはママと待ち合わせ。するんだ」



パパの嘘に、ため息を吐いた。

私に何をさせたいのかわかったから。

でも、背中を押されてるのがわかり、大人しく店を出る覚悟をした。



「行って、来る…」



「おうっ」



自信はないけど。

途中で帰って来るかも知れないけど、捜せるだけ捜してみる。

仁志も、「お前なら大丈夫」って、応援してくれた。

仁志だって、元カノにまた告白すると教えてくれた。
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