手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
一緒に頑張るって決めたんだから、逃げるのはおしまいにしよう。

最後のチャンスかも知れないのに、そのチャンスを逃したら、後悔だけしか残らない。

海都の事、他の女の子たちより知ってる自信がある。

誰より、大好き。

もう一度、私の気持ちを聞いて欲しい。

捨てられないこの気持ち。



「もしもし?仁志――…」



私は仁志に電話をして、たまり場やホテル街以外にも、海都が行きそうな場所を聞き出した。



「……っ゛…痛い……」



『萌?おい、萌――ッ!!』



突然、襲って来た腹痛に、私は膝から倒れた。




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