手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
それを隠そうと、頑張って話してるメグ。

そうさせたのは、俺だ。



『…海都だけなの…』



「……」



『海都が大好きで…離れるのが…辛い…ッ…』



流産の話だと思ってた。

こんなダメな俺を、メグが好きなままで居るとも思わなかった。

今からでも、間に合うだろうか。



「メグは、俺で良いのか…?」



『海都じゃなきゃ…。誰よりも海都が良い…お願い…っ…』



メグの想いに、体が勝手に動いた。

電話の向こうから聴こえる叫びを聴きながら、公衆電話がある場所へと走った。

今からやり直せるなら、俺はもう二度とメグを離さない。
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