手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
過ちを犯すのもこれが最後。

今まで自分勝手に生きて来た。

次はメグの為に、生きようと思った。



「メグ――ッ!!」



緑の受話器を握って、座り込んで泣くメグを呼ぶと、涙を目に目一杯、溜めて俺を見据えた。

流れる涙は止まる事を知らないみたいだ。



「海都っ……!」



駆け寄って来たメグに近付き、抱き締めれば、「会いたかった…」と、そう言う。



「ごめん……ごめんな…?」



親父とお袋は、こんな風に再会を果たしたのだろうか。

大切な人の気持ちに気付けなかったり、傷付けたり似てる。

でも俺は、お袋を大切にしてる親父を、見習おうと思った。

メグを愛せるのは、俺だけなんだから――…。



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