僕は、女性恐怖症
ドキドキドキ………

(いきなり声かけないでくれ。)

僕は、本気でそう思った。

「あの、朝はありがとうございます。」

『へ?』

(朝?何かあったかな?)

「財布拾ってくれて。」

『ああ、別にたいしたことじゃないよ。』

僕は、なんとか冷静に答えた。

「あの、えっと。」

『?』

「おいおい祥司名前くらい名乗れよ。」

『えっと僕の名前は大橋祥司です。以後よろしく。』

「自己紹介がかたいよ。もう少し言い方があるだろ。」

『いいじゃん、これが僕の言い方なの。』
< 19 / 87 >

この作品をシェア

pagetop