僕は、女性恐怖症

「だが、その当日家族全員が乗った車に信号無視をしたトラックがぶつかってしまって……。」

そこまで言うと言葉をやめてしまった。
僕は、もしかしたらその事を知っていたのかもしれない。
僕は何も考えたくなかった。
沈黙した中ただ雨の音だけが大きく聞こえた。
先に沈黙を破ったのは園長先生だった。

「済まなかった。嫌な事を思い出させてしまって。」

『そんな事ないですよ。』

僕は、無理矢理笑ってそう答えた。