僕は、女性恐怖症
「祥ちゃんは、気付いてないと思うけど、祥ちゃんの女性恐怖症は親しい女の人にはおきないんだよ。」

(そうだったんだ。そういえば、親戚の女性にはならなかったな。)

僕がそんな事を思っていたら綾乃さんが言葉を続けてきた。

「やっぱり私じゃ無理だね。麻衣ちゃんの代わりにはならないんだね。祥ちゃんの心の中には麻衣ちゃんしかいないんだね。」

僕は、その言葉に何も言えなくなった。
「ごめんね。さようなら大橋君。」

綾乃さんは、走って行ってしまった。
僕は、その背中をただ見ているだけだった。
その日から綾乃さんは、僕の事を祥ちゃんと呼ばなくなった。
< 70 / 87 >

この作品をシェア

pagetop