マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
紀香が必要最低限のセリフしか言ってくれない。


「紀香、ホウキ」


「……うん」


ホラな?


もうちょい長くても良くねーか!?


サッサッサと床を掃く紀香は、いかにも“早く済まして帰りたい!!”ってオーラが………


「疲れてね?大丈夫か?」


「うん」


「喉渇いてないか?」


「平気」


……5文字以上喋んないよ、この子っ!!


一応さっきから優しくしてるが、やっぱり勇の言う通りウソヤローって思われてる!?


本気で嫌な汗が垂れ始めた頃―――…気がついた。


紀香、何か………怖がってる?
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