マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
抱き着いてる紀香の背中に、ソッと腕を回した。


女の子って、ちっちぇなぁ~~~~


「………悪い。ちょっと嫌な夢見たからさ」


「夢……?どんな?」


内容はコイツ本人に言えるハズが無いので、適当に誤魔化しといた。


「気になってたんだけどよ。もう気にしない事にするわ」


紀香の甘いニオイ―――…シャンプーか?が、鼻をくすぐる。


段々といい香りと暖かい温もりに、心が癒されて来た。


「大丈夫なの?」


やっと、紀香が顔を上げた。


その瞳には、まだ不安の色が残っている。


「ああ。もう大丈夫」
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