マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
あっちでは連右、違う方向では神蔵君が囲まれてる。


皆自分のお弁当なんだから、自分で食べようよ………


「スゴイよね留雨。転校して来たばっかなのに、あんだけって」


琴音が留雨を見ながら言った。


「確かにねーー」


私は琴音がチラッと自分に目をやったのにも気づかずに、のん気に答えた。


次はタコさんウインナー食べよ♪


「…………留雨……頑張れ……」


「全く妬いて無いわよこの子………」


夏葉と琴音が、留雨に哀れみの視線を送っていた。


もちろん私は、それにも気づかなかった。
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