マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
昔から“天然”や“ニブイね”とか言われてたけど……


小学校の時から好きでいてくれて、高校で再会しても思ってくれてた留雨の気持ちに、ずっと気づかずにいたなんて――――……


「謝るな」


それでも留雨は、私に笑いかけてくれる。


「やっと……オレの気持ち、理解してくれたみたいだな?」


頷く私。


留雨は私を抱きしめながら、続けた。


「紀香……オレ本当にお前の事、大事にする」


留雨の表情は、真剣そのもの。


「だから………アイツより、オレの方を見てくれないか――――……?」


「アイツ…?」
< 271 / 424 >

この作品をシェア

pagetop