マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
だけど相ケ瀬に抱きしめられ、優しい目を向けられ、愛の言葉を言われてる紀香を見て平気な程、オレは神経図太くない。


“嫉妬”や“怒り”、“悲しみ”が心を支配する。


見たくない、聞きたくない――――……


気がついたらオレは、紀香と相ケ瀬に声をかけてた。


オレの姿を見て、慌てて相ケ瀬から離れる紀香。


―――くっついてりゃ、いいじゃねぇか…………


紀香の目が見れずに、顔を背けた。


ダメだ……何だか無性にイライラする。


「待って…連右!!」


紀香がオレの制服の裾を掴んだ。


…………っ
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