マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
オレはソレを、バッと振り払う。


「……話したく……ない」


今紀香と話したら、きっとメチャクチャ責め立ててしまうから………


初めて紀香を拒絶したオレ。


「連………右……」


扉の窓に反射して、紀香の顔が見える。


―――――泣いていた………


本当はすぐに抱きしめて、涙を拭ってあげたい。


でも今のオレには、そんな余裕一欠片も無かった。


“ごめん”と謝り図書室を出て、壁に寄り掛かる。


ズルズルと崩れ落ちた。


「何……やってんだ………オレ………」


夕焼け空が、やけに眩しく映った。
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