マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
昨日勇と何て謝るかたくさん考えたのに、全く出てこない。


どうすりゃ……いいんだよ。


「――――幹居」


突っ立っていると………誰かに呼ばれた。


「あ、相ケ瀬…」


勇が名前を言わなくても、誰かはすぐ分かってた。


「話したい。ちょっと出よう。神蔵も来ていいから」


相ケ瀬の誘いに、無言で頷く。


いつの間に来てたんだコイツ……


2人で相ケ瀬の後を付いて行くと、空き教室に入った。


皮肉にもそこは………相ケ瀬が転校して来た日に、オレが紀香を呼んだ場所。


あの日の出来事が、やたらと昔に感じた。
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