マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
あ…そうだ……オレ紀香に呼ばれてたんだ。


「もう泣かすなよ?紀香の事」


ニコッと笑う相ケ瀬が――――…眩しく感じた。


いいヤツ過ぎんな、コイツ。


恋のライバルじゃなかったら、いい友達になれてたかもな―――……


「悪い相ケ瀬……オレ行って来る」


オレはケータイだけポケットに入れると、部屋を飛び出した。


「頑張れよ」


「相ケ瀬、お前最高だ!よっしゃ、オレの家で語り合おうぜっ!」


「ええ!?……ま、いっか」


勇と相ケ瀬のそんな会話を背中で聞く。


どうやら勇も、同じ意見らしかった。
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