マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
ギロリと睨みを利かせてやりたい。


だが、今「裏」のオレを出すワケにはいかない。


オレは学校では、“優等生で紳士な幹居君”でいなきゃいけない。


――――……勇に「言ってもいい」なんて言うのは、ただ単にオレが弱いだけなんだ。


だってそうだろ?


こんな底抜けにブラックな男、誰が受け入れてくれるんだよ。


そんな人間……勇以外にいるなんて、無い無い。


いたとしたら、相当な変わり者だ、ソイツ。


…………いるワケが……ねぇ………よな。


特に………オレを見ては騒ぐ位の反応しかしない女は。
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