マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
それからオレ等は暫くお互い無言で歩き、“あそこ”に着いた。


「―――――久し振りに来たな。ここ」


グルリと辺りを見渡す。


熱い体に、癒しの風がソヨソヨと吹いて来る。


気持ちいい……


「あの時以来だね、ここに来たの」


紀香はどこか、遠くの方を見ている。


隣に腰かけた。


「1ヶ月振り―――か?」


「それ位なのに……妙に懐かしい気するよ。何でだろ」


風が紀香の髪を後ろに運ぶ。


少し伸びたな、髪。


「オレも………懐かしい気がする。早かったと思ったんだけどな、1ヶ月間………」
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