マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
ちなみに今は「い、痛い!!痛い連右!」と言っていたので。

(↑分かったのっ!?)


「ちゃーーんと、聞けよ?」


手を離した瞬間、紀香はホッペを押さえながら、コクコクと頷く。


カワイイ………


「――――紀香オレな?周りなんかどうでもいいって、ずっと思ってたんだ」


青空を見上げながら、過去を振り返る。


「皆オレの顔や頭、運動神経とか、そういうのしか見て来ない。オレの“中身”を見てくれる人なんか、いなかったんだよ」


外見を“優等生王子”に偽ったのは、自分だ。


それでも“オレ”を見て欲しかった。
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