マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
紀香が、オレの目を見て言ってくれた。


強いけど―――……優しい目をして。


まだ話しても、平気だな………


「んでずっとグジグジ悩み続けながら、高校生になっちまった。オレは、どうせまた同じ事の繰り返しって疑わなかった」


入学式の日……憂鬱で堪らなかったのを、思い出す。


勇に引っ張られてなきゃ、マジ帰ってたかも…な入学式。


しかしそこには………オレの運命を変えてくれる女の姿があった。





「紀香――――……お前と出会うまではな…………」


オレは他のものは一切目に入れず……紀香だけを見て言った。
< 412 / 424 >

この作品をシェア

pagetop