マイルド・ガールとワイルド・ボーイ
赤い血が、タラタラと流れ出る。


ヤバイ……どうしよ………


夏葉と琴音に言って、保健室に行こっか?


でも夏葉は神蔵君の応援してるし、琴音にも心配かけたく無い。


まだ誰も私のケガには気づいてないし―――…コッソリ黙って行っちゃお!!


ソーーッと、体育館から出ようとした。


「福田さん」


ギクッ!!


呼びかけられ、恐る恐る振り向くと………


「幹居……君……」


只今休憩中の、幹居君が立っていた。


「保健室……オレもつき合うよ」


「なんで……っ」


「右手、痛いだろ?」
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