恋する! マトリョーシカ
恋する! マトリョーシカ



「悪いけど俺……
 細い子が好きだから」



 放課後の体育館裏。

 フワリ、と眩暈がする。
 その場に崩れそうになるも、短い雑草生い茂る地を両足で踏み締めて、なんとか持ちこたえた。


 目の前にいる瀬辺大貴(セベタイキ)くんの端正な顔が、これでもかっていうぐらいに歪んでいく。


 ああ、耳鳴りまでも。

 ぐぅわしゃん、ぐぅわしゃん――
 頭の中で響き続ける。


 今日のために、食うもの食わずにダイエットしたのに。
 4kgも減量したのに。
 大成功だと思ったのに。

 そしてこの告白も……


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