恋する! マトリョーシカ


「世の中にはなぁ、細い子が好きなヤツもいれば、ポッチャリした子が好きなヤツもいるんだよ」

 先輩は頬をほんのり赤く染めて、照れ臭そうに言った。

「答えてません!」

 キッパリと言ってやる。

 高校三年生にもなって、会話のキャッチボールもろくにできないなんて。
 情けないです。
 私は悲しいです、先輩。


「ちゃんと答えてんだろ?
 俺は……」

 言って先輩は私を真っ直ぐ見詰めた。

 心臓がバクバクする。
 これは身体が本能的に危険をキャッチしているからに違いない。

 顔もすっごく熱い。
 これは……
 これは……


 何でしょう?


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