恋する! マトリョーシカ
「嫌いな物ワースト1位だった物が、好きな物ベスト187位に昇格したお祝いです」
ニコリ、満面の笑顔でこの素晴らしきビッグニュースを報告した。
きっと姉崎先輩は、まるで自分のことのように喜んでくれるはずだ。
ええ、絶対、間違いなくっ!
「誰の?」
「もちろん私のです」
「何が昇格したって?」
「ええっとぉ……
言わなきゃ駄目ですか?」
言いたくないなぁ。
乙女の恥じらいっていうものを先輩は知らないのでしょうか。
ほんっと、デリカシーのかけらもない。
どんなに愛が深まっても、そういう所は野犬のままだから困ってしまう。