恋する! マトリョーシカ
「先輩ホモなんですか?」
「いや俺、ホモ・サピエンスっつったよ?
お前が言ってんの、それホモ・セクシャルだろ?
俺がホモ・セクシャルだったらお前と付き合ってねぇし?」
「何言ってんですか? 先輩。
全く意味がわかりません!」
「だから、意味わかんねぇのは俺の方だって。
わかんねぇんなら家返ってググれっ」
先輩は捨てるように吐いて、プイと私から顔ごと逸らして正面を向き直った。
先輩ってば本当に――
怒りんぼさんなんだから。
黙ったまま二人並んで歩き続ける。
何の為の放課後ランデブーなのか。
誰がデブだ!
コンチクショー。