恋する! マトリョーシカ
「ごめんなさい」
不本意ではあるが、誤った。
だって、先輩に愛想尽かされ、挙句捨てられでもしたら、それこそ大惨事だ。
それだけは何としてでも阻止せねば。
「俺は別に……
お前が不機嫌なままでも構わねぇけど。
プリプリ怒ってるお前も可愛いくて好きだし。
ただ、お前が気分悪いんじゃねぇかな、と」
言って照れ臭そうに苦笑した先輩LOVEでファイナルアンサー!
「先輩、大好きです」
溢れんばかりの想いを我慢できずに口から出して見上げれば、滲む視界の中、先輩は目を見開いて私をマジマジと見詰めていた。
けれどすぐに、
「俺もです」
呟くように言って、先輩はふわりと微笑んだ。