恋する! マトリョーシカ


 けれど、ちっともたっても先輩は出て来てくれない。

 ちょっとだけ寂しくなってきた。

 それに、退屈だ。

 先輩の部屋には少年漫画やゲームしかない。
 暇を潰す術が見付からない。



「先輩、私と繋がってないと寂しくて死んじゃうんじゃなかったですか?」

 どうにも我慢できなくて、先ほどの恥ずかしいセリフを持ち出してやった。


「もう寂しくねぇから。
 俺にはジェニファーちゃんがいるから」

 意味不明の言葉がすぐさま返って来た。

 一体何の話をしているのですか?


 耳をすましてみれば、ペランペランと紙が擦れる音が小さく聞こえる。
 先輩はベッドの下に潜り込んで、自分だけ本か何かを読んでいるようだ。


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