恋する! マトリョーシカ


「言われなくても出ますよ、今すぐにっ!」

 強がってはみたものの、自分ではもうどうにもできなかった。


 全てを諦め、私は動きを止めた。



「先輩……」

「何だよ?」

「出れません。助けてください」

「仰向けになれば?」


 ハッ――

 言われた通り仰向けに寝返ったら、いとも簡単に脱出成功。

 ホッとすると同時に、とんでもなく恥ずかしくて顔面がチンチンに熱くなった。


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