恋する! マトリョーシカ
「こんな……こんな……
気持ちよくて幸せで、うっとり夢心地になる抱擁なんかで、今の私は誤魔化されませんからねっ!」
「よし、もう一息だな、頑張れ、俺」
「先輩は、私が3キロ痩せたことが気に入らないんです、そうでしょ?」
「いや、見た目には全く変化ないから、全然問題ないけど?
てか3キロ? 3キロ痩せただけ?」
「先輩は太ってる私を好きって言ってくれるけど、私は痩せて綺麗になりたいんです。
こんなに太っててみっともない私、自分自身が嫌なんです。
痩せて美しくなった私でも愛して欲しいんです」
「自虐的なんだか自信満々なんだか良くわかんねぇなぁ、お前。
てかそれ、もっと痩せてから言おう、うん、その時考えよ?」