恋する! マトリョーシカ


「私だって……
 先輩のその野性的な顔や、細マッチョな身体、本当は全然タイプじゃないんですからね!」

「ちょっ、お前、決して言ってはならないことをうっかり口走っちゃってるよ?」



「あんな金髪ダイナマイトなんかより、私を……
 ちゃんと私を見てください」

「見てるじゃねぇか、ちゃんと。
 てか、『金髪ダイナマイト』って何?」



 そしてとうとう――
 先輩は私を包んでいた両腕を解き、私の肩をガシと掴んで引き離した。


 みるみる寂しさが迫り上げて来て、益々声を大にして泣いた。


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