恋する! マトリョーシカ


「話は変わるけどさ」

 しばらくして、先輩が口を開いて幸せな沈黙を破った。

 先輩の胸の中は余りにも気持ち良くて。
 頭の中はムニャムニャで先輩の話なんか正直どうでも良かったのだけれど、取り敢えず「うん」と返事をした。


「お前のその好きな物ベスト、俺は何位ぐらいに入ってんの?」

「もちろん体重計より上位ですよ、おめでとう先輩」

 面倒くさくて適当に返せば、

「ちょっと待て。
 体重計ってひゃく――何位だっけ?
 てか相当な下位だった記憶が……」

 ムキになって聞き返してきた。


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