恋する! マトリョーシカ
「もう、先輩ってば。
体重計にヤキモチ焼くとか可笑しいです。
それこそ、彼氏と体重計を比べることが、そもそも間違っているのです。
価値も用途も全く別物ですからね」
言いながら見上げれば、先輩は酷くご機嫌斜め。
仕方がないから、教えてあげることにした。
「先輩はアイスクリームの次だから、第四位です」
先輩の眉尻が寂しげに下がるのを見て、私の中にちょっとだけ罪悪感が生まれる。
けれどすぐ、先輩はフッと優しくて素敵な笑みを浮かべ、
「どうせ一位、二位も甘いもんなんだろ?
ほんとに痩せる気あんのかよ?」
意地悪なことを言って声を漏らして笑った。
「もちろんです」
とキッパリ答えて私も笑った。