恋する! マトリョーシカ
この人――
冷たいんだか優しいんだか良くわからない。
怒りっぽいことは確かだけれど。
彼に抱えられながら保健室へやっとの思いで辿り着くと、養護教諭の高橋先生に、すぐさまベッドに横になるように言われた。
「睡眠不足と栄養不足ね」
麗しくも美しい高橋先生は、溜息交じりにそう言った。
「睡眠不足はわかるけど、栄養不足って……
こんなに肉付きいいのに?」
言って彼はケラケラと笑う。
なんかムカつくんですけど。
「あの、いつまで居るんですか?」
早くどこかへ行って欲しくて。
ぶぅと膨れながら言ってやった。