愛してると言わないで。
こんなときでも彼の考えてることが分かる。
「ナオ、もう止めよう。」
アタシは首を横に振った。
目を見ながら、なにかを訴えるように。
彼なら分かってくれる。
彼は一瞬だけ、悲しそうな顔をしたが、無理矢理笑顔を作ると外へと出た。
昨日の夜中、アタシは思ったんだ。
愛の言葉なんて最後に吐いたってしょうがない。
だから、ただ彼が、この先頑張っていけるように応援をしようって。
もう言わない。
だから、言わないで。
――愛してると